黒鯛(チヌ)を使った料理
刺身・お造り編
姿造り |
刺身もこうすればプロの見栄え
頭と尾を付けたまま、エラ、内臓を取り除き3枚に下ろします
肩身は側線に沿って飾り包丁を上下に入れ、皮面を湯引きします 残りの片身は、皮を包丁で引き取り除きます 器に、尾頭付きの中骨を形よく配置し、大根のケンで骨を隠します その上に、皮つきの切り身を削ぎ切りにし、盛り付けます 器の空いている部分に残りの片身を盛り付け出来上がり 皮面を軽く火で炙って、香ばしく仕上げても面白いですよ |
刺身大皿盛り |
ホームパーティーや家族全員が食卓を囲む時に
新鮮な魚の定番料理と云えば刺身
5枚に下ろし、皮を引いて、食べやすい厚さに切って盛るだけ 大根のケンや大葉をあしらい、見栄え良く盛り付けましょう 菊の花や、紫蘇の花等、季節の花を添えれば、より豪華な刺身盛りに見えます |
昆布〆 |
昆布の旨味でより一層味を引きたてます
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5枚に下ろして皮を引き、軽く塩を振っておきます
昆布は、幅広の物を30cm位に切り酢で表面を拭いておきます 身の表面に浮き出た水分と塩分をクッキングペーパーで拭きとります 身を昆布で包み込むように巻き、冷蔵庫で暫く馴染ませます 1時間ほどで、昆布の香りと旨味が移ります より昆布の香りと旨味を移したい場合は、1晩置くと良いでしょう 器に、削ぎ切りにした昆布〆を盛り付け出来上がりです |
焼き切り(霜皮造り) |
魚の皮が大好きな人への1品
普通の刺身では物足りない、皮が旨いんだという人へお勧め
普通松笠(又は霜皮)造りと云えば、三枚おろしの皮に飾り包丁を入れ 熱湯を掛けて霜降り状にしたものが代表的です ここでは、熱湯の代わりにバーナーで炙って、香ばしく仕上げました 香ばしい皮の旨味と、淡白な白身がマッチして美味しい1品です 炙りのポイントは、鱗の後がくっきり立ち上がり、脂が滲み出てくる 瞬間に炙りを止め、皮面に焦げ跡が出ないようにすることです |
握り寿司 |
お寿司屋さんでは食べられない味かも
特別な店でない限り置いてない寿司ネタだと思います
寿司に合うよう、少し幅広にして5mmほどの厚さに切りましょう 硬めに炊いたご飯に、合せ酢を加え冷ましながら混ぜて酢飯を作ります すこし、酸味が強い酢飯が美味しくなると思います あとは、寿司やさんの如く握るだけ 手巻き寿司にしても良いですよね ※ 合わせ酢 米3合に対し、酢大さじ4、砂糖大さじ4、塩小さじ1 |
焼き物編
尾頭付き塩焼き |
祝い膳と云えば真鯛、でもこれも見劣りしません
鱗を削ぎ落したら、エラと内臓を取り除き、良く洗います
両面に斜めに飾り包丁を入れ、全体に塩を軽く降ります 背、胸、尻、尾の各鰭にたっぷり塩を着けます 後は、強火の遠火でじっくり焼くだけ 焼き過ぎると、身がしまり硬くなるので要注意 炭焼きが最高ですが、家庭の魚焼き器でも火加減を注意すればOK 身を開いたとき、中骨の廻りが少しピンクがかっていれば最高です |
ピリ辛焼き(干物) |
干すことで一層コクが出る焼き物です
鱗を取り3枚に下ろし、濃い塩水(5〜6%)に約1分漬け込みます
皮面に2〜3か所飾り包丁を入れ、両面に唐辛子パウダーを振ります 片面1時間の割合で、直射日光で干します あとは、皮面、裏返しと焼くだけ 干物の旨味と唐辛子のピリ辛が相まって、酒の肴に最高です もちろん、惣菜としても立派な1品です 冷蔵保存 1週間 冷凍保存 1ヶ月可能です |
バター焼き(レモンソース) |
フライパンで焼くお手軽料理
チヌは、3枚下ろしにし腹骨を削いでおきます
皮面に数か所斜めに飾り包丁をいれ、軽く塩・胡椒をしておき フライパンにオリーブ油を熱し皮面から焼きます 身の周囲が白くなってきたら、裏返してバターを加え2分ほど焼きます 魚を器に盛り付け、フライパンの焼き汁にワイン(日本酒)大さじ2 レモン果汁1/2個分の搾り汁(ポッカレモン大さじ1でも可)を加え レモンソースを作り魚に掛け回して完成 |
和風ムニエル |
フレンチの定番をアレンジ
3枚、又は5枚下ろしで調理します
皮面に数か所斜めに飾り包丁をいれ、軽く塩・胡椒をしておきます 全体に小麦粉を塗し、フライパンにオリーブ油を熱し皮面から焼きます 身の周囲が白くなってきたら、裏返してバター1片(約10g)を乗せ バターが解けるまで焼きます 魚を器に盛り付け、フライパンの焼き汁に酒大さじ2、ポン酢大さじ2 レモン果汁少々を加えソースを作り、魚に掛け回して完成 |
西京焼き |
合わせ味噌に漬け込んだ保存食としての1品
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味噌漬けにした魚を焼いたもの、どんな魚も美味しい気がします
家庭でも簡単に出来る味噌漬けの焼き魚です 漬け味噌は、白みそ300g、味醂300cc、卵黄2個を良く合わせます 弱火で混ぜながらじっくり水分を飛ばし、元の味噌の固さに戻します 出来上がった味噌を魚の両面に塗り、そのまま焼けば西京焼き タッパ等に入れ、冷蔵庫で寝かせれば味噌漬けになります 丸1日漬け込むと水分が出て来ますので、完成です 水分をペーパーで取り除き、そのまま冷蔵庫で1週間保存OKです |
白子の酒蒸し焼き |
季節限定食材の酒の肴料理
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チヌのノッコミ期にだけ味わえる、真子&白子
白子は、真子と違い崩れやすく調理のし難い食材です けれど捨てるには勿体ない美味しい食材です 軽く塩をし、白子の水分を除き、引きしめてから調理します 熱したフライパンで両面を焼き、酒で蒸すだけの簡単料理 口の中でとろける白子独特の食感、山葵とともに楽しんでください |
揚げ物編
竜田揚げ |
衣さっくり、中ふんわり
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5枚に下ろしたチヌを1口大に切り、醤油ベースの漬けダレに漬け込む
漬け込み時間は、30分から1時間、漬け時間で味の濃さを調整 片栗粉をたっぷり塗し、170℃〜180℃の油でカラッと揚げます 器に、野菜を添え盛り付ければ出来上がり ※漬けダレ※ 酒 大さじ2・醤油 大さじ3・味醂 大さじ2・砂糖 大さじ1 摩り下ろした生姜 大さじ1 |
天麩羅 |
季節の野菜天を添えて、天つゆで
5枚に下ろして皮を引き、1口大の削ぎ切りにします
小麦粉を全体に塗し、馴染ませておきます あげ衣に潜らせ、180℃に熱した油で揚げます あげ衣は、さっくり揚げるために、小麦粉に1割ほどの片栗粉を混ぜ 塩、小さじ1を加え、冷水で軽く混ぜます 天つゆは市販の麺つゆを薄めても良いですが、自家製に挑戦です 鰹だし汁5に対し、醤油:味醂を1:1で作ってみましょう |
唐揚げポン酢餡かけ |
唐揚げしただけでも美味しいですが餡かけにしてみました
3枚に下ろし飾り包丁を入れて、軽く塩胡椒します
全体に小麦粉を塗し、魚が半分隠れる位の油を熱し 片面づつ蓋をして蒸し揚げにします 別鍋で餡を作ります(詳細レシピ参照) 少し深めの器にあげた黒鯛を盛り付け、餡を掛け回します ホックりした黒鯛の身と、あっさりした少し酸味のある餡が、絡まって 上品な1品となるでしょう |
煮物・汁物編
兜煮 |
チヌの頭だけを姿そのままに煮付けました
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大きめなチヌ(35cm位以上)は、刺身で食べるのが1番
そうすると、頭やカマ等の美味しい部分が残ってしまいます アラ煮にして美味しく頂きましょう ここでは、頭とカマ部分だけを使ってお店で出る兜煮風にしてみました 作り方は、アラ煮と全く同じですが、盛り付けた後の体裁が良いですね |
アラ煮 |
上の兜煮と調理方法は全く同じです
チヌの頭、カマ、腹骨、中骨、中落ちと全て使います
煮汁の基本は、3:2&2:2:1と覚えやすいですよ 3:2は、水とお酒の比率(300cc:200ccと云った具合) 2:2:1は醤油:味醂:砂糖で大さじで測った分量です さっと煮付けるときは、4:4:2と醤油、味醂、砂糖を倍にし 魚に照りが出るまでじっくり煮付けるときは、標準量で煮込みます |
アラ汁 |
チヌの出汁で美味しい味噌汁
味噌汁の具にしても美味しい魚たち、チヌも例外では有りません
湯引きして臭みを取り、さっと煮てふっくらとした身に仕上げます 味噌を入れる前に、チヌに火を通しておき、煮立てないことがコツ 白味噌仕立ての家庭の味と、赤白混ぜた合わせ味噌のお店の味 合わせ味噌の場合は、中骨で出汁を取った味噌汁を作り、 別鍋でアラに火を通し器に入れ、味噌汁を入れると上品に仕上がります |
真子の煮付け |
季節限定の絶品料理です
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居酒屋でも、料亭でも99%提供していない料理だと思います
タラコやカレイの真子等と比べると、粒子が細かく密なのがチヌ真子 その為火が通り難く、食中りしやすいと言われますが 下茹で、煮込みと時間を掛けてしっかり火を通せば心配は無いでしょう チヌの産卵期にしか味わえない、期間限定絶品料理となります |
チヌの昆布巻き |
チヌと牛蒡、相性の良い者同士を昆布で巻いて
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昆布巻きと云えば、ニシンや鮭を思い出します
チヌでも昆布巻きは?そんな思い付きで作ってみました 魚の煮付けと相性の良い牛蒡を一緒に巻きこんで、圧力鍋でじっくり 煮込みます 昆布の旨みがしっかり染み込んだチヌと牛蒡、最良の組み合わせです |